痛風に良い食べ物 | 尿酸値を下げる食事療法に効果的な食品
ある日突然激しい痛みに襲われる「痛風」は、明治以前の日本ではほとんど見られないものでした。けれども、日本でも生活が欧米化し豊かになるにつれて患者数は増加し続け、2013年にはついに100万人を突破し、生活習慣病の1つに数えられています。
生活習慣病の治療には、特に食生活の見直しが重要です。痛風に悪い食べ物として高プリン体食品がよく知られていますが、それでは、痛風に良い食べ物はあるのでしょうか?
今回は、尿酸値を下げるための効果的な食事療法についてまとめます。
痛風の原因となる「高尿酸血症」
痛風は、血液中の尿酸が増えることで起こります。私たちの体を構成している細胞の核酸にはプリン体が含まれており、このプリン体が分解した後の排泄物が尿酸です。血液中の尿酸量が増え、尿酸値が7.0mg/dlを超えると「高尿酸血症」と診断されます。
健康診断の血液検査で高い尿酸値が出た段階では、ほとんどの方に自覚症状がありません。けれども、高尿酸血症の状態を放置していると、血液中の尿酸が関節で結晶化して炎症を起こす痛風発作や、尿路結石、腎臓病など多くの病気の原因となっていきますので、尿酸値を下げる食事を心がけるなど、生活習慣の見直しが必要です。
尿酸値を下げる食事療法
痛風発作を予防し、尿酸値を下げる食事療法のポイントは以下の4つです。
1.食事は腹八分目を心がける
高尿酸血症の方には肥満(特に内臓脂肪型肥満)が多いということが分かっており、メタボリックシンドローム予備群ともいわれます。尿酸値を下げる食事は、肥満を解消しメタボリックシンドロームを予防する食事と考えて、腹八分目を心がけましょう。食事の量を減らす場合には、ゆっくり咬んで時間をかけて食事をすることで満腹感が得やすくなります。
2.肉や魚を食べ過ぎないよう注意する
部位にもよりますが、肉や魚には比較的多くのプリン体が含まれているため、量を食べ過ぎないよう注意しましょう。極端に制限すると栄養が不足してしまうので、完全に避ける必要はありません。また、脂身の少ない部位を選ぶ、調理法を工夫するなどしてカロリーを抑えます。特にレバーや白子等はプリン体が多いので、食べ過ぎないようにしましょう。
3.野菜やきのこ、海藻を多めに摂る
低カロリーでビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれる野菜やきのこ、海藻類は、まさに痛風に良い食べ物です。ビタミンCには尿酸の排泄を促す働きがあり、また、食物繊維にはプリン体の吸収を抑制する効果があります。
野菜にはプリン体が少ないので、どんどん食べても大丈夫です。淡色野菜と緑黄色野菜のバランスに気をつけながら、1日に350g以上を目安に摂るようにしましょう。
4.アルコールを控える
お酒をたくさん飲む人ほど痛風になるリスクが高いといわれています。アルコール自体に尿酸値を高める効果があることに加え、つまみに高プリン体食品を食べてしまうことが負の相乗効果を生みます。
1日に飲む量は、ビールなら中瓶1本、日本酒は1合、ワインはグラス2杯、焼酎やウィスキーの水割りは2杯程度に抑え、週に2日は休肝日を設けましょう。
カロリーを抑え、バランスのとれた食事を
今回は、痛風に良い食べ物、尿酸値を下げる食事療法についてご紹介しました。
バランスの取れたカロリー控えめの食事こそ、痛風やメタボリックシンドロームを防ぎ、尿酸値を下げる食事といえます。そして、食物繊維の豊富な野菜、きのこ、海藻類などの食品を積極的に摂取することが大切です。
特に昔ながらの和食は、高プリン体食品が少なく食物繊維が多いので、痛風予防に効果的な食事です。尿酸値が高い場合には、まず日々の食生活を見直し、痛風・高尿酸血症の予防に取り組んでいきましょう。