痛風発作時の対処方法 | 尿酸値が高い人が知っておくべき応急処置
痛風の代表的な症状である急性関節炎(痛風発作)は、体液中の尿酸が溶けきれずに関節内で結晶化することによって起こります。その痛みは「風が吹いても痛い」「骨の中から何かをえぐり出される」「傷口にキリを差される」といった言い回しで表現され、想像を絶するものがあります。
今回は、尿酸値が高い人が知っておくべき痛風発作時の対処方法・応急処置についてまとめます。
痛風発作時の症状
最初の痛風発作は、約70%が「足の親指の付け根が痛い」という症状から始まります。他の部位としては、かかと、足の甲、くるぶし、アキレス腱、膝など下肢が大半で、まれに手指の関節の場合があります。
痛風発作の特徴は下記の通りです。
- 関節(通常1ヶ所)に突然激しい痛みが起こる
- 痛み、腫れ、発赤が強く歩行困難になる
- 痛みは24時間以内にピークに達する
- 7~14日程で軽快する
血中の尿酸値が高い状態が続き、関節中に尿酸ナトリウムの結晶が見られるなどの場合、”痛風”と診断されます。
痛風発作が起きた時の対処方法
痛風発作が起きた時の応急措置としては薬物治療を中心に、下記のような対処方法・注意点があります。
安静にする
無理に動くと余計に痛みが増しますので、患部を少し高い位置して横になり、安静を保ちます。歩けるようになったら、できるだけ早く病院に行くようにしてください。
患部を冷やす
患部を氷や冷シップなどで冷やす事が大事です。氷が無ければ、保冷剤などを使うのも良いでしょう。冷やすことで患部の血液の循環を滞らせ、痛みを軽減する効果があります。
マッサージは厳禁
痛いからといって、患部を揉んだりマッサージすることは厳禁です。揉むことで余計に痛みが増すことがありますので、安静を心がけて下さい。
水分を多くとる
痛風発作を起こしてから水分を多くとっても痛みはすぐにとれませんが、水分を多くとることで血中の尿酸の濃度を薄める効果が期待できます。
痛風患者は、普段から多めの水分を飲むすることが大切です。糖分の多いジュース類などは避け、ミネラルウォーター等を飲むのがおすすめです。

アルコールは厳禁
アルコールは痛みを和らげてくれそうなイメージがありますが、痛風発作中のアルコールは厳禁です。アルコールには血行を促進する効果がありますので、患部の痛みが余計に増すことになります。
コルヒチンの服用
痛風発作の前兆時には、コルヒチンを少量服用し対処します。
痛風発作のピーク時に服用しても十分な効果は得られません。また、痛いからといって大量にコルヒチンを服用すると、激しい腹痛や下痢、嘔吐などの副作用が現れることがあります。
コルヒチンの服用が間に合わなかった場合には、ロキソニン等の痛み止めを使用します。
鎮痛剤の服用
鎮痛剤(NSAIDs)は、急性の痛風発作の基本の対処方法として服用します。痛風発作の適応症が認められている鎮痛剤(NSAIDs)は、インドメタシン・ナプロキセン・フェンブフェン・プラノプロフェン・オキサプロジンなどです。アスピリンはかえって発作を悪化させる場合がありますので服用は避けます。
痛風発作の極期には、NSAIDsパルス投与法が推奨されます。鎮痛剤を短期間に大量投与を行って痛みを寛解させる対処方法で、発作が治まれば投与は中止します。
鎮痛剤を服用する際は、自己判断で市販薬を飲むのは極力避け、医師の指示に従って服用するよう心がけて下さい。
ステロイド剤
NSAIDs投与で効果が見られない場合などには、ステロイドを使用します。経口の他、筋肉注射、点滴、関節内注入など、患者の状態によって投与の方法を使い分けます。
まとめ
今回は、尿酸値が高い人が知っておくべき「痛風発作時の対処方法・応急処置」についてご紹介しました。
安易な薬の服用や自己判断での応急措置で症状を増悪させることがままありますので、専門の医療機関を受診して指導してもらう事が一番の対処法といえます。
また、発作の痛みを抑えるだけでは根本的な解決にはつながりませんので、生活習慣等の改善等、痛風の原因となる高尿酸血症の治療に取り組んでいくようにしましょう。