プリン体とは | 体内での役割と尿酸になる仕組み
痛風等への関心の高まりから、テレビコマーシャルや店頭でのチラシなどで「プリン体○○%カット」といった歌い文句を目にする機会が増えていますが、「プリン体」とはそもそも何なのでしょうか?
今回は、尿酸値が高くなる原因として有名な「プリン体」について詳しくまとめます。
プリン体=悪者ではない
まず知っておきたいのは、プリン体とは全ての生物の細胞が持っているDNAの主成分だということです。
その働きは、活動の原動力となるエネルギーの伝達であり、私たちが体を動かす時に必要な物質です。さらには、私たちの体の細胞が新しく生まれ変わる「代謝」にも必要不可欠になります。
つい「プリン体=体に良くない」とイメージしがちですが、プリン体とは本来悪者ではないのです。
ただし、プリン体の摂取にも限度があり、それを越えて過剰に摂取してしまうと、尿酸値が上がるなどして様々な不調を引き起こす原因となります。
プリン体はほぼ全ての食べ物に含まれる
取りすぎると良くないということから、プリン体の摂取量を出来るだけ抑えようと考える人が増えています。
しかし、プリン体は細胞の核である為、その含有量に差こそあれ、基本的に全ての食材に含まれているのです。
したがって、尿酸値が気になる方がプリン体の摂取量を減らすには、食材に含まれるプリン体の含有量を知り、それが少ない食べ物を選ぶことが必要になります。
プリン体は体内でも作られる
プリン体とは、食事によってのみ体に取り入れられるものではありません。上述したとおり、私たちの体に本来持ち合わせているものでもあり、食事以外の生命活動によって作られる量の方が断然多いのです。
- 核酸分解:
- プリン・デノボ合成:
- サルベージ合成:
体にある各細胞が役目を終え、分解されていく時にプリン塩基、プリンヌクレオチドといったプリン体を産出します。
体内の様々な物質を原料に、ATPのエネルギーを利用して新しいプリン体が作り出されます。
一旦分解され尿酸になる前に、まだ使用可能と識別されたものがプリン体が再利用されていく仕組みです。
これらは生命活動の一部として私たちの体の中で日々行われ、プリン体を合成しています。
プリン体が尿酸になる仕組み
プリン体の合成と代謝は体内のあらゆる細胞で行われていますが、一番多いのが「肝臓」です。
不要になったプリン体が肝臓内で分解されると、その副産物として「尿酸」が生まれます。そして、それらは最終的に4分の3が腎臓や尿へ、残りの4分の1は便や汗に排出されていく仕組みになっています。
尿酸の生産量と排出量のバランスが崩れ、血中に含まれる尿酸の量が増えすぎると高尿酸血症となり、痛風など身体へ悪影響へとつながります。
まとめ
今回は、「プリン体とは何か」についてご紹介しました。
プリン体そのものは生命維持に欠かせない物質ですが、過剰な摂取が続くと尿酸値が高くなる原因となります。
コントロールしやすいのは、やはり食事や運動といった生活習慣ですから、尿酸値が高い方はそういった部分から改善していくことが必要です。