痛風患者のお酒との付き合い方 | 尿酸値とアルコール飲料の関係

痛風患者のお酒との付き合い方 | 尿酸値とアルコール飲料の関係

痛風患者のお酒との付き合い方 | 尿酸値とアルコール飲料の関係

痛風患者といえば、お酒好きの中高年男性で、プリン体の多いおつまみを食べながらビールをグビグビ飲む人に多いというのが典型的なイメージです。

実際、痛風患者のうち1週間に5日以上飲酒をする人の割合は95%にのぼるともいわれています。このようなお酒大好きな人は、アルコール飲料とどう付き合っていけばよいのでしょうか?

今回は、尿酸値とアルコール飲料の関係と、痛風患者のお酒との付き合い方についてまとめます。

アルコールの尿酸値を上げる働き

痛風になってしまったのでプリン体の多いビールをやめて、プリン体が少ない焼酎や発泡酒に変えた」という人は多いですが、それらはほとんど気休めにすぎません。

なぜなら、プリン体の量に関わらず、お酒に含まれるアルコール自体に尿酸値を上げる効果があるからです。

アルコールの尿酸値を上げる働き

アルコールは体内に貯蔵されないため、90%以上はすぐに肝臓で代謝されます。その際、アルコールはATPという尿酸のもととなる物質を分解する作用があるため、多くの尿酸が生成されるのです。

また、アルコールが分解されてできる乳酸などの物質が、腎臓からの尿酸の排泄を妨げるということも報告されています。

ビールに限らず、アルコール飲料を痛飲した翌朝に痛風発作の症状が出るケースが多くみられるのは、そうしたことが影響していると考えられます。

禁酒または節酒を

このように尿酸値を上げることが明らかなアルコール飲料は、できることならやめるに越したことはありません。アルコールを飲み過ぎると、痛風ばかりではなく、肝臓病や糖尿病、腎臓病、脳血管障害のような重篤な病気の原因にもなります。

筆者の知り合いの医者は、痛風の患者さんに「お酒は飲まないで下さい」という言葉がいつも喉まで出かかるとこぼしていました。けれども、お酒好きな人にとって禁酒は大変辛いことです。交友関係にも影響を及ぼしますし、場合によっては生きる喜びを失わせかねません。

また痛風の場合、痛みは酷いものの、すぐにドクターストップをかけなければならないほど命に関わる病気ではないため、節酒を勧めるにとどまり、患者本人の自覚に任せているのが現状です。

痛風患者は禁酒または節酒を

飲酒の適量

個人差はありますが、1日にアルコールのエネルギー量200kcalまでが、健康に害を及ぼさないアルコールの適量です。換算すると、日本酒なら1合、ビール・発泡酒は500ml、焼酎はグラス1杯、ウィスキーはダブル1.5杯、ワインは200mlとなります。

お酒好きの人にとっては物足りない量ですので、なかなかきっちり守る人は少なく、元の木阿弥となるか、全面禁酒をするかに分かれるというのが実態のようです。

痛風のリスクを抑えるお酒との付き合い方

たとえ飲酒をする場合でも、できるだけ尿酸値を上げないような飲み方を工夫することで、リスクを減らすことが出来ます。

1)空腹時に飲まない

空腹時はアルコールの吸収が早まり尿酸値が急に高くなりやすいため、必ず何か食べてから飲み始めましょう。また、一緒に食べるおつまみは、冷奴や漬物など、プリン体が少なく低カロリーのものを選ぶと良いでしょう。

2)薄めて飲む

アルコール度数の高いお酒は薄めて飲みましょう。また、アルコール飲料を飲む際には一緒に水を飲んでアルコールを薄め、排泄を促すようにましょう。

3)少しずつ飲む

ぐいぐい早く飲むことは止め、ゆっくり少しずつ飲むよう心がけましょう。

以上の飲み方を守ることで、尿酸値の上昇を緩やかにすることができますが、もちろん過度の飲酒は控えましょう。
 

お酒に強い人は痛風リスクが高い?

防衛医大の研究チームが2016年5月に発表した研究によると、お酒に強い遺伝子の人は、弱い遺伝子の人に較べて痛風発症リスクが2.27倍になるそうです。

痛風患者に酒豪が多いということが実証された形です。お酒に強いからと、ついつい飲み過ぎてしまうのでしょう。けれども、痛風で痛い思いをし、仕事や生活に支障が出ることを考えれば、アルコール飲料は適量を守るかやめるに限ります。

痛風や高尿酸血症の人は、それを契機ととらえ、健康のために前向きな節酒あるいは禁酒を検討するようにしましょう。