痛風は治る病気?治療を続けることで完治可能か
激しい痛みを伴う痛風発作は、本当に辛いものですが、しっかりと治療に取り組むことで「起こりにくく」していくことは可能です。
では、治療を続けることによって痛風を「完治」させることはできるのでしょうか?
一度発症すると痛風は治らない
結論から言うと、痛風は一度発症すると治ることはなく、一生付き合っていかないといけません。
理由としては、まず、痛風の原因となる尿酸値を完全にコントロールすることが難しいことがあげられます。
痛風はガンなどのように、体内に腫瘍やがん細胞を取り除くという治療法ではありません。そのため、治療としては薬や生活習慣の改善等により、尿酸値を抑えることに注意を払い続けなければなりません。
発作が出なくなったといって安心して治療をストップすると、食生活の乱れ等によりすぐに尿酸値が上がり、再発の可能性が高まってしまうのです。
尿酸値のコントロール
体内の尿酸値が7.0mg/dlを超える「高尿酸血症」の人は、痛風のリスクが高い状態とみなすことができます。
そこで、尿酸値が規定値に収まるようにする必要がありますが、尿酸値は食生活の改善だけで完全にコントロールできるわけではありません。
尿酸は、激しい運動などをした後の老廃物である「乳酸」によっても生まれてしまう物質です。身体のエネルギー代謝を行う日常生活の中でも生成されますし、尿酸値には遺伝的な要素も関係してきます。
そのため、私たちが食生活の改善や運動療法などでコントロールできる幅は限られており、このことも痛風が治療しても完治しないといわれる原因といえます。
原因による薬の服用期間
痛風にかかってしまい、症状が進行してしまうと病院では多くの場合、ザイロリックやフェブリクといった尿酸降下薬を処方されます。
ザイロリックは1日に2度、3度服用が必要ですが、新薬のフェブリクは1日1度の服用です。関節痛や吐き気、だるさなどの副作用も一部報告されているため、服用には注意が必要です。
通常、尿酸値が6.0mg/dlに下がると薬の服用はストップすることができます。ただし、遺伝的な体質による原因等の場合は、生活習慣の改善を行う事のみでは症状を抑えることが難しいため、投薬を続ける必要が出てきます。
痛風を予防する工夫
痛風を改善していく上で、薬だけに頼り続けるのは副作用など体へのリスクもあります。必ず、並行して食生活の改善や生活習慣の見直しを行う事が必要です。
アルコールは尿酸の生成量を増やし、体外に排出されるのを阻害する原因となるため、控えるようにしましょう。
また、同じくプリン体を多く含む肉類(特にレバー)、かつお、エビといった食べ物をできる限り避け、海藻や野菜、キノコ類などを積極的にとるようにしましょう。
併せて、水分をしっかり取ることも大切です。これは排尿により尿酸を外に排出するためです。
高尿酸血症が常態化すると、痛風だけでなく高血圧、糖尿病なども引き起こしやすい状態になります。完治が難しいとしても、日頃から痛風の予防・改善を意識して、継続して治療に取り組むことが大切です。