痛風は女性も要注意! 女性ホルモンの減少と尿酸値の上昇
「痛風」といえば、かつては男性の病気というイメージが強いものでした。
しかし、近年ではライフスタイルの変化によって、女性の痛風患者も増えてきています。「女性だから大丈夫」という考えではなく、実際に、女性でもかかる可能性が充分あるという認識をしっかり持っておくことが大切です。
痛風が女性に少ない理由
痛風の患者に男性が多い理由はいったい何でしょうか?
これには、痛風という病気の原因である「血清尿酸値」の値の差が影響しています。
女性には月経があり、その際に女性ホルモンである”エストロゲン“が分泌されています。このエストロゲンが腎臓に働きかけ、「尿酸」を身体の外に出す働きをしているため、女性は男性よりも「血清尿酸値」が上がりにくいという違いがあるのです。
しかし、ホルモンバラスが崩れたり、閉経するとエストロゲンの分泌が減少するため、この働きは鈍くなってしまいます。
痛風の女性患者が増加している原因
次に、女性で痛風にかかる人が増えてきている主な理由を見ていきましょう。
食生活の欧米化
これは男性にも言えることですが、欧米スタイルへの食生活の変化は、女性の痛風患者を増やしてきた一因です。魚や野菜中心の生活から、肉などのカロリーの高い食事やアルコールの摂取量が増えてきていること等が原因として挙げられます。
また、女性の社会進出が進む中、家事もこなし、普通に働くとなると、どうしても時間に追われがちです。外食に頼ったり、仕事上の付き合いなどでアルコールを摂取する機会も増えるようになると、尿酸値の上昇に繋がり、痛風を発症するリスクが高まります。このように、男性とライフスタイルの質が近づいてくることも、女性の痛風患者を増やす要因となります。
ホルモンバランスの乱れ
女性に痛風患者が増えてきたもう1つの理由は、ホルモンバランスの乱れです。
過度なダイエットや生活習慣の乱れ、ストレスなどにより、ホルモンバランスが崩れると、エストロゲン等の分泌にも影響が出てしまい、尿酸を対外に排出する機能に支障が出てきます。
女性ホルモンの減少を防ぐために
尿酸値の上昇を防ぐためには、女性ホルモンの分泌を阻害しないよう、日々の生活習慣を見直すことが大切です。
睡眠をしっかりとる
まず、不規則な生活を避け、よく眠る事です。睡眠不足は、女性ホルモンのバランスが崩れる原因になることが知られています。特に、夜22時から夜中2時は、睡眠のゴールデンタイムといわれており、その時間帯にはしっかりと質の高い睡眠をとれるようにしましょう。
体を温める
特に入浴は効果的な方法です。暑いお風呂は避け、リラックスしながらゆっくりと温まることを心がけましょう。
女性ホルモンを増やす食べ物をとる
大豆食品、卵、かぼちゃ、キャベツなど、女性ホルモン”エストロゲン”の分泌に良い食品を積極的に取ることも効果的です。
まとめ
女性の痛風患者数が増加している現在、「痛風は男性の病気」というイメージは捨て、女性も痛風を予防する意識を持つことが大切です。
食生活の乱れなど心当たりのある方は、日頃の生活習慣を少しずつ改善しながら、痛風対策に役立てていくようにしましょう。